神戸市会2025.12.9 神戸市会 一般質問のご報告 議事録 その1 「認知症の人に優しいまちづくりの推進と制度の周知徹底について」躍動の会神戸市会議員団を代表して、久元市長以下の執行部に対し質疑しました。以下質疑要旨です。
認知症の人に優しいまちづくりの推進と制度の周知徹底についてお伺いをいたします。
神戸市長選のさなか、私の板宿事務所に市民の方がお訪ねに来られまして、行政のおかしな見解についてというお手紙とともに御相談をいただきました。認知症の徘回や行方不明はますます増加しており、みまもりシールの制度を広報紙KOBEで知って申請したところ、福祉局の担当から、医師の診断書がないと認知症と判断できず、シールは渡せないと説明されたとのことでございました。
しかし、奥様は3年前に認知症と病院で診断されて、そして現在も3か月ごとに通院し、要介護2、これまで数回の行方不明歴があり、警察の保護歴も複数回、さらに神戸市高齢者安心登録事業へ既に登録され、ケアマネとの定期面談も継続されておられました。それにもかかわらず、みまもりシールの交付に改めて時間を費用をかけて診断書を提出する必要があるのかと強い疑問を示されました。
その場で高齢福祉課長に私から電話で確認いたしましたが、診断書が必要との回答でございました。みまもりシールは、早期保護が目的であり、主治医の意見書やあんしんすこやかセンターの情報を活用するなど、診断書を不要とし、市民負担を軽減すべきと考えます。御見解をお伺いします。
○副市長(今西正男君) 私のほうから、認知症の人に優しいまちづくりの中で、みまもりシールについて御答弁を申し上げます。
認知症の行方不明者が全国的に増加している中、認知症の方の行方不明対策として今年8月からみまもりシールを導入させていただきました。
これは、衣服等に貼り付ける二次元コードと個別の登録番号が印刷されたシールで、行方不明時に発見者が二次元コードを読み取り、表示されたコールセンターへ連絡し、登録番号を伝えていただくことで迅速な身元確認及び警察による保護につなげることを目的としているものでございます。
みまもりシールの配布は、認知症と診断された方を対象としているため、認知症神戸モデルを利用して診断を受けた方以外の方には認知症と診断されていることを確認するために診断書の提出を求めてきたところでございます。
一方で、診断書を取得するためには、医療機関を受診し、診断書発行料を支払うなど、御本人・御家族に負担がかかることは議員御指摘のとおりでございます。申込窓口でありますあんしんすこやかセンターからも同様の御意見をいただいております。
そのため、現在、診断書の要らない形に早急に手続を見直すよう検討、整理、調整をしているところでございます。
今後、みまもりシールが多くの方々に御利用いただきやすい制度となるよう、努めてまいりたいと考えてございます。
○52番(大井としひろ君) そうしましたら、これから一問一答でお願いします。
先ほどの認知症の人に優しいまちづくりの推進と制度の件で、前向きに御答弁いただきました。診断書が要らない方向で検討していただけるということで、一歩前進ということでありがとうございます。
再質問、ちょっとこの関係でさせていただきますけれども、3年前に奥様が体調に不安を感じて須磨区の保健福祉課に御相談に行かれまして、病院での検査を経て認知症と診断されまして、神戸市の高齢者安心登録事業にも登録されたと伺っております。
当時は、既に認知症の人に優しいまち神戸モデルがもう始まっておりまして、スタートしておりまして、認知症診断の無料受診や機能検診や精密検査、最大2億円の賠償責任保険や24時間対応コールセンター、GPSの端末補助など様々な支援が利用可能であったのではないかと思っております。
しかし、相談時にはこれらの支援策の案内が十分に行われなかったように私は見受けられました。市民が不安を抱えて窓口へ訪れる際、相談内容に応じて利用できる制度を丁寧に案内する姿勢こそが認知症の人に優しいまちづくりを掲げる神戸モデルの理念に合致するものでございます。
今回の須磨区の職員の対応をどのように評価し、今後の改善につなげていかれるのか、御見解をお伺いしたいと思います。
(「議長」の声あり)
○副議長(川内清尚君) 今西副市長。
○副市長(今西正男君) 今、御指摘をいただきました3年前の対応状況につきましては、調べましたけれども、状況を確認することはできませんでした。
ただ、先生が今おっしゃられましたような案内が不十分であったという点がありましたならば、それは大変申し訳ないことだというふうに思っているところでございます。
本市におきましては、認知症神戸モデルをはじめ、様々な認知症施策を実施しておりまして、認知症と診断された方が必要なサービスを利用できるよう、区役所に限らず、医療機関やあんしんすこやかセンター、ケアマネジャーなどの関係者・関係者機関から適切に案内される必要があるというふうに認識をしているところでございます。
そのため、認知症の方が利用できるサービスなどをまとめた冊子であります認知症ケアパスを作成し、窓口での案内に活用するとともに、みまもりシールなど新たな認知症施策の開始や、変更時等には区役所や関係機関に対して情報共有を適宜行っておりまして、市民に必要な支援が届くように努めているところでございます。
今後さらに情報の共有に努め、そして、今、先生からの御指摘もございましたので、丁寧に認知症の御本人・御家族に寄り添った支援や対応を行ってまいりたいと考えてございます。
(「議長」の声あり)
○副議長(川内清尚君) 大井君。
○52番(大井としひろ君) 昨年12月にも質問させていただいて、私が精神障害者手帳の再発行を代理で申請した際、須磨区役所の健康局の職員が、親族でも兄弟でも再発行できませんとの一点張りで、非常に不親切な対応があったことを前回指摘させていただきましたけれども、私の実家は尼崎でございまして、尼崎市役所の窓口で相談したときは、こちらから聞かずとも複数の職員の方々から様々な支援制度の紹介をしていただき、寄り添う姿勢が感じられました。残念ながら、今の神戸市にはこのような寄り添う姿勢は私には感じられません。
また、神戸市の窓口では、本人からの具体的な申出がなければ必要な情報を提示しない、いわゆる申請主義のような考え方が職員の中で浸透してしまっているように私は思っております。今回の事例を改めて庁内で共有し、窓口職員の指導も含め、神戸市の姿勢を改めるべきと考えますけれども、御見解をお伺いしたいと思います。
(「議長」の声あり)
○副議長(川内清尚君) 今西副市長。
○副市長(今西正男君) 区役所の応対が不十分であったということについてはおわびを申し上げたいと思いますけれども、情報はきっちりと共有し、そしてまた市民に寄り添う姿勢で窓口対応を行ってまいりたいというふうに考えてございます。
(「議長」の声あり)
○副議長(川内清尚君) 大井君。
○52番(大井としひろ君) 今回の事案は、職員の対応だけでなく、制度の周知にも課題があったと思っております。10月には「認知症対策さらなる周知を」という見出しで神戸新聞に大きく報じられるなど、市民への丁寧な情報提供、周知徹底が求められておると思っております。
認知症神戸モデルを真に実効性あるものとするため、対象者や関係機関に対して効果的な広報の在り方を検討し、周知徹底を図るべきと考えますけれども、御見解をお伺いしたいと思います。
(「議長」の声あり)
○副議長(川内清尚君) 今西副市長。
○副市長(今西正男君) 必要とされている方に制度を利用していただけるよう、認知症神戸モデルの制度の周知は大変重要であるというふうに認識をしてございます。
高齢者御本人に対しましては、広報紙KOBEの定期的な掲載のほか、制度を周知し、受診を促すため、制度開始以降、毎年年度ごとに送付対象年齢を変更の上、受診券の一斉送付を行い、個別に案内をお届けしているところでございます。
さらに、医療機関やあんしんすこやかセンター、ケアマネジャー、民生委員など関係機関に情報を共有し、関係機関からも認知症神戸モデルの制度周知や紹介に尽力をいただいているというところでございます。
また、幅広い世代をターゲットとしてホームページを充実させるほか、公共交通機関などのデジタルサイネージやSNS、ユーチューブを活用した広報などを実施させていただいているところでございます。
幅広い世代をターゲットにすることで、例えば高齢者へ子供世代から制度の利用を呼びかけていただくということもしていただければというふうに思っているところでございます。
今後も効果的な広報・周知の在り方を検討し、様々な手法を組み合わせて実施することで、高齢者御本人をはじめ、その御家族や医療・介護の関係者など、様々な方々への認知症神戸モデルの周知に取り組んでまいりたいと考えてございます。
(「議長」の声あり)
○副議長(川内清尚君) 大井君。
○52番(大井としひろ君) 先日、西宮市が東京大学の大学院と協定を締結されまして、ICTを活用して行政課題を解決していくとの報道がございました。同大学院の教授は、市のサービスを全部知っているAIをつくりたいと。例えとして、災害で被災した市民に対して多くの支援があるが、AIが漏れなく支援制度を伝えることをお示しされました。職員による周知徹底を進めていただくのは当然ですけれども、こういったICT技術を活用した取組についても検討すべきではないでしょうか。御見解をお伺いします。
(「議長」の声あり)
○副議長(川内清尚君) 今西副市長。
○副市長(今西正男君) 福祉ニーズは複雑・多様化してきておりまして、窓口職員は複雑・多様な福祉課題に理解を深め、個々の状況を適切に把握し、課題に応じて適切な支援につなぐということが求められているところでございます。
そのため、職員のスキルアップや負担軽減の取組というものが重要でして、研修の実施や日々の業務におけるOJTだけでなく、先端技術を活用するという視点は重要であるというふうに考えているところでございます。
本市でICTを活用した取組の一例といたしまして、ウェブ上で簡単な質問に答えていただくことで個人の状況に合った支援制度、窓口の情報の一覧を示すウェブツール、神戸市版お悩みハンドブックを公開しております。相談窓口職員向けには、様々な支援情報を整理・検討し、適切な案内や窓口間の連携促進につなげるツールとして、また課題を抱えた市民に向けては、適切な支援情報を自ら見つけていただくツールとして活用を広めていただきたいというふうに考えてございます。
私も活用といいますか、利用させていただきましたけども、大変便利な機能が入っているものでございます。
そして、また生成AIという分野につきましては、令和6年10月からAI研究の第一人者であります東京大学大学院の松尾教授の研究室に神戸市の係長級職員を派遣しているところでございまして、神戸市におけるAI拠点の構築に役立てたいというふうにも考えているところでございます。
また、庁内における生成AIとして、マイクロソフトコパイロットも今利用可能というような形に活用させていただいているところでございます。
急速に発展いたしますICTやAIの活用にはさらなる可能性があるというふうに考えてございまして、市民サービスの向上に向け、活用方策について研究・検討させていただきたいと考えてございます。
(「議長」の声あり)
○副議長(川内清尚君) 大井君。
○52番(大井としひろ君) まとめますけれども、もうみまもりシールは診断書が不要な形で前へ進めていただけるということで、一歩前進ということで感謝申し上げます。
今現在、認知症に伴う徘回や行方不明は、深刻な社会問題となっております。当事者自身だけでなく、家族・介護者にとっても大きな不安と負担となっております。こうした状況だからこそ、行政は最も身近な支援者として柔軟で安心できる支援体制を示していただき、当事者・家族が安心して相談や受診につながる環境を整えるべきではないかと思っております。現場で生じている切実な声や不安に対して、より一層認知症の当事者と家族に寄り添った支援と対応が求められております。そのことを強く申し上げて、つぎの質問に移ります。











